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2009年03月18日

『エスクァイア』のオリジン、そして継ぐ者。

毎日、たくさんのアクセスと署名、応援のメッセージをありがとうございます。
今日は時代を遡って、
アメリカで『エスクァイア』が創刊された頃の話をお届けします。
『エスクァイア日本版』が生まれる半世紀以上も前の話です。


1933_10.jpg 『エスクァイア』創刊号。



アメリカ・シカゴで『エスクァイア』が創刊されたのは、1933年の10月。
初代編集長の名は、アーノルド・ギングリッチ。
『Esquire』という誌名は、
ギングリッチに宛てて秘書が書いた手紙にあった
“Arnold Gingrich, Esq.”という文面から採用されたのです。
※Esq.とは「〜様」「〜殿」という意味で手紙などに用いる敬称。

〜『エスクァイア』は男性の興味全般について
ひとつの基準であることを目指している。〜

とは、29歳の青年編集長が創刊号に寄せた一文(一部抜粋)。
彼はここに、まったく新しい雑誌作りへの挑戦を宣言したのです。

時は折しも、世界大恐慌のただ中。
そんな不況の折、暗い時代に挑戦するかのような、
大人の知性と遊び心に彩られた誌面は大いなる興奮を以て迎えられ、
10万5000部は瞬く間に完売。それは奇跡に近い出来事と賞されました。

この頃のアメリカの深刻な不況は、現在の日本同様、
出版業界にも大きな打撃を与えていたといいます。
1933年に就任したルーズベルト大統領が行った不況克服のための政策、
ニューディール政策は、公共事業や大規模雇用などを行いましたが、
なんと出版界でも、ガイドブック製作なる公共事業が行われた記録があるそうです。

このことは、産経新聞の編集委員、
宮田一雄さんのブログビギナーズ鎌倉に詳しいので是非ご参照を。
※当サイトのご紹介もしていただいています。

こぼれ話ついでにもうひとつ。
創刊前の1933年3月。
ギングリッチはNY滞在中に立ち寄った書店で、
アーネスト・ヘミングウェイに遭遇。
その場で寄稿の依頼をし、快諾を得ています。
そして早速その大作家の名を謳って
スポンサー集めをしたというから、優秀な編集者です。

ヘミングウェイは1936年に「キリマンジャロの雪」を寄稿。
これは釣り船購入のため、
前借りした金の返済として書かれたと言われています。

話を創刊号に戻すと、
ギングリッチは「雑誌の今後について」こう記しています。

〜この雑誌の立ち上げは野心に満ちた仕事であり、われわれはすでに数えきれないほどのカサンドラたちの嘆きを耳にしてきた。「なぜこんなにカラーページが多いの? こんなにたくさんの記事を、これからどうしていくつもりなの?」。疑い深いトマスたちに向けた明確な答えは、12月にお目見えする創刊第2号で用意されている。そこでわれわれは、約束としてではなく、実体として、『エスクァイア』の創刊号で示された水準は決して高いものではなくむしろ低いものであったことを、そして号を重ねるごとに理想の水準により近づいていくことを、今後来るべきすべての号をもって示していく所存である。〜


それから54年後の1987年。
『エスクァイア日本版』は、
『エスクァイア』の初めての海外版として、創刊されました。

以来22年の歳月をかけて、ギングリッチが言ったように、
「号を重ねるごとに理想の水準により近づいていく」途上にあった日本版。
その水準を保ち、復刊した後もすべての号をもって向上を示していけるのは、
おそらく歴史を継いできた現編集部の面々でしょう。

「雑誌は人である」とは、ギングリッチが貫き通した考え方。
人があってこその『エスクァイア日本版』であり、
そこには歴代、才気煥発なコントリビューターが集ってきました。
そんな雑誌の再びの旅路へ向けた、
レールを皆さんとともに敷いていけたら、と願っています。


『エスクァイア日本版』復刊コミッティ
瀬尾英男




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【『エスクァイア日本版』復刊コミッティよりの最新記事】
posted by esky復刊応援コミッティ at 06:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 『エスクァイア日本版』復刊コミッティより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こう言う時にこそ、例の12,000円を活用するべきでした。 差し出がましい申し出とは思いますが、受け入れ体制が整っているのなら、サイト上にて発表して戴きたいと思います。
Posted by 職工 at 2009年03月18日 09:16
職工さま

コメントありがとうございました。
現在のところ、当サイトでは募金などの受け付けを予定しておりません。
お気持ちはとても嬉しく頂戴いたします。ありがとうございます。
今後とも応援どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 『エスクァイア日本版』復刊コミッティ at 2009年03月20日 01:17
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