カテゴリ

2009年03月23日

新聞の行く末から、雑誌を考える。

いつもたくさんのアクセスありがとうございます。
今日は、媒体における広告費の話から。
3/22付けの朝日新聞文化面に
「新聞よ、どこへいくのか」という記事がありました。

〜活字離れが進み、インターネットが広がるなか、新聞の未来は不透明だ。
展望はあるのか、どう変わるべきか――。〜
というリード(前文)の「新聞」の部分には、
そのまま「雑誌」という言葉もあてはまるため、興味津々。

電通の「2008年日本の広告費」によると、
テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4大媒体の
広告費は前年比7.6%減の3兆2,995億円。
なかでも新聞の落ち込みは大きく、12.5%減の8,276億円だそうです。
一方のネットは16.3%増の6,983億円で、新聞を急追中。

雑誌の広告費はどうかと調べてみると、4,078億円で前年比88.9%。
完全にネットの後塵を拝しています。
ちなみにラジオ広告費は1,549億円で前年比92.7%。
テレビ広告費は1兆9,092億円で前年比95.6%となっています。

電通による同資料では雑誌の創復刊、休刊の数も発表されていて、
2008年の休刊誌数は186点。
前年に次いで過去2番目に多い数だそうです。
同年休刊になった雑誌は
『NIKITA』『主婦の友』『TITLe』『読売ウィークリー』『ヤングサンデー』
『月刊現代』『PLAYBOY日本版』『BOAO』『GRACE』など。
各社各誌の事情は異なるものの、
広告費の減少は、少なからず影響しているのではないでしょうか。

ちなみに2008年の創復刊点数は、意外と多い177点。
既存誌から『Oily Boy』『VOGUE HOMMES Japan
などの関係誌が派生したほか、
創刊誌では『HERS』など40〜50代向けが多かったようです。

さて、前出の朝日新聞記事では100人の識者が、
新聞は生き残れるか、また生き残るためには何が必要かに答えています。
「残念ながら使命は終わった」というものから、
「生き残らねばならない」まで、意見はそれぞれ。
いずれも同じ紙媒体の雑誌に置き換えてみても、
同じようなことが言えるのかもしれません。

本の雑誌』2009年4月号の特集
「いま、雑誌がえらい!」では、坪内祐三さんが
活字・雑誌媒体でしか提供できない雰囲気や面白さがあることに言及した上で、
「こういう不況は雑誌にとっては、若い面白い人が出てくるチャンス」
ともおっしゃっています。
DTPで写植代、版下代をかけずに本を作ることもできる現在、
その気になれば一人で面白いものを安価で作ることもできるのです。
これは、コンピュータがwebだけではなく、紙媒体にももたらしたギフトです。

51kuUSZRQJL._SL240_.jpg 『本の雑誌』2009年4月号

雑誌の醸す雰囲気や面白さについては、
『エスクァイア日本版』の創刊号に、
川本三郎さんのこんな記事があります。

〜雑誌の数があまりに多くなり、雑誌ジャーナリズムと書き手との間の信頼関係が日々薄れている現在、『エスクァイア』のよき伝統は、日本版でも受け継いでもらいたいと思う。〜

よき伝統とは、作家に大事にされ、作家を大事にすること。
1972年の米版『エスクァイア』を例にとり、
当時の編集長、ハロルド・ヘイズが
トム・ウルフら新しい書き手を育てる一方で、
晩年、生活に困っていた1920年代を代表する女性作家、
ドロシー・パーカーに定期的に寄稿を依頼し、
いわば恩返しをしたというエピソードに触れた記事です。

「雑誌は人」であり、編集者とコントリビューターの関係が、
紙の手触りとともに感じられる。
そんな雑誌には、やはり残って欲しいものです。

さて、その川本三郎さんが亡き奥様との日々を綴るエッセイ
「君、ありし頃」が『yom yom』vol.10から連載されています。

yom yom10.jpg 『yom yom』vol.10

この号は、ほかにも梨木香歩さんの「家守綺譚」の最新譚、
万城目学さんの短篇「悟浄出立」(中島敦へのオマージュ。上手い!)などを掲載。
作家との関係性が紙の匂いとともに感じられる雑誌です。
そんな読後感こそ、次世代に継ぐべきものなのかもしれません。

皆さんは雑誌の未来について、どんなお考えをお持ちでしょうか。
もしよろしければ、下記
雑誌の未来へ、ご意見大募集!
の記事のコメント欄から、ご意見をお寄せください。

『エスクァイア日本版』復刊コミッティ
瀬尾英男







拍手する
【『エスクァイア日本版』復刊コミッティよりの最新記事】
posted by esky復刊応援コミッティ at 07:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 『エスクァイア日本版』復刊コミッティより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。