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連載企画「写真家の部屋」第14回は、江原隆司さん。
江原隆司さんは、森本美絵さんのアシスタント時代から数えると、
ずいぶん長い間、『エスクァイア日本版』に関わっていただきました。
独立された後も編集部スタッフがすぐにお声をかけたのは、
これから活躍されるであろう伸びしろに大きな期待を寄せていたからにほかなりません。
対象を正確に理解しようという姿勢、現場での気配り、
ADや編集者の要求への耳の傾け方、
そうした撮影に取り組む真剣さを目の当たりにするたびに、
こちらもあらためて襟を正してページをつくらなければという
初心を思い出させてくれました。
そして独り立ちして写真を撮ることのヨロコビを
全身で感じている江原さんにもっともっと誌面で活躍していただきたかった。
いつかまたその日が来ることを祈って。
Photographer File #14
江原隆司
Takashi Ehara
1980年生まれ。兵庫県出身。
東京芸術大学 美術学部卒業後、スタジオ勤務を経て、森本美絵に師事。
2008年、独立後、雑誌、書籍等で活躍中。
2007年『《写真》見えるもの/見えないもの展』に参加。
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現代美術の展示の撮影を『エスクァイア日本版』からいただいた時には、
どう撮影したら、この空間を演出せずに、
正確に、よく伝えられるかということを、いつも考えました。
それは自分が地方で学生だった頃、書店で『エスクァイア日本版』を見て、
「いつか実際にこの展示を見に行きたい」
と何度も誌面に影響された経験からきています。
まだ会ったことのない誰かに、面白さが正確に伝わる様に。
そんな雑誌づくりに関われたことに、大変感謝しています。
復刊を心から願っております。
江原隆司
1●東京タワー。周りにはきちんと目を凝らして見ておかないと、いつの間にかなくなってしまうものがたくさんある。写真にしても記録なんて到底できず、せめて目印になればと撮りました。
2●『エスクァイア日本版』2008年11月号に掲載されたテリー・リチャードソンのアザーカット。ポートレートを自由に任せていただける現場は、大変な緊張感と、それに比例して、大きなやりがいがありました。1枚、1枚、多くのことを勉強させて頂きました。
3●『エスクァイア日本版』2008年5月号に掲載された、メゾンエルメス8Fフォーラム『サラ・ジー』展のアザーカット。
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