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2009年05月03日

レビュー回顧〜手元に残ったCDについて その2

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やっぱり歌の力なのかな。

ジャズ系クラブミュージックの世界に浸かって、
「音楽通」ぶっていたところで、エスクァイア日本版の門をくぐったら、
そこには予想を超えた音楽の深淵が口を開けていた……
当時を振り返ると、さながらそんな感じでしょうか。
連日届くさまざまなタイプの音源を、
混乱しながらもとりあえず聴く日々がしばらく続いたように思います。
編集部のBGMすらもフレッシュな体験だったわけですが、
中にはちらほら、自分にとっても馴染みのある音楽が取り上げられることもありました。

ブラックストリートは、'90年代になってテディ・ライリーが結成した
ヒップホップ/R&Bのグループです。
テディといえば、'80年代にボビー・ブラウンのプロデュースで
一躍その名を知らしめたアメリカ・ブラックミュージック界の顔役のひとり。
プロデュースに大きく関わった
WRECKX-N-EFFECTや自身のグループguyで、
「ニュージャックスウィング(NJS)」というジャンルを確立した人でもあります。

大学時代、モダンジャズやニューウェーヴに親しむ一方で、
なぜかNJSにハマった時がありました。
guyの来日公演を見に、MZA有明までバスに乗って行ったっけ。
ヴォーカルのアーロン・ホール目当ての、露出度MAXの女性客を尻目に
(彼がステージに出るといきなり上着を脱いでビキニトップに!)、
テディのキーボードプレイばかりを見ていた記憶があります。
ブレイクビーツ的な、デジタルで加工されたソリッドなリズムに、
男性ヴォーカルやキーボードによる艶のある
「歌」が乗るというNJSの構造が好きでした。

※guyのPVは下記参照。時代感あり。
http://www.youtube.com/watch?v=Nksph5Ep_rs&feature=related

そんなテディ・ライリーが、満を持して結成したグループの
ファーストアルバムは、彼が目指していた
「歌や声が持つソウルネス」と「ヒップホップを通過した人工的グルーヴ感」
との融合を印象づけるトラックがてんこ盛りでした。
彼はまたサンプリングも巧みで、ソウルファンの裏スジをなでるような、
いい感じのネタを、しかも大胆に使っていました。
それは借用というよりは、
黒人音楽の系譜へのリスペクトという印象すら感じられたのですが、
ひいき目に過ぎる見方でしょうか。


「ジョイ」ブラックストリート

このブラックストリートの『ブラックストリート』が紹介されている
’94年の9月号では、もう1アーティスト、
R&Bベースのサウンドが紹介されています。
アシッドジャズの牙城だった英国talkin’loudレーベルを離れ
BMGからリリースされたオマーの2ndアルバム『フォー・プレジャー』。

当時の音楽担当N氏は彼のことを「暑苦しい」と評していましたが、
粘り気のあるヴォーカルは確かに耳に残ります。
このアルバムでオマーは、ジャズ・ファンクやフュージョンの影響色濃い
アシッドジャズシーンのサウンドと一線を画し、
「シンガー」として自分を明確にしたように見受けられます。
そして、それを聴くこちらも、
音楽の深淵へと歩みを進めていこうと、意を強くしたのでした。


「アウトサイド」オマー

いま改めて前出の2作品を聴くと、昨今のR&Bシーンのトレンドと比して、
やはり音感やリズムの面での古さや緩さは否めません。
ただ、その一方でそこにある「歌」の強さは、
以前にもまして際立っている気がします。
そのあたりが残っている理由なのでしょう。

本誌音楽担当S



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ブラックストリート』ブラックストリート
(ユニバーサル)

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フォー・プレジャー』オマー
(BMG)


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posted by esky復刊応援コミッティ at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏Esky Music/レビュー回顧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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